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ウタカタノユメ

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比翼の鳥④

こんばんわ。

九州地方では50年に一度の大雨だとか。梅雨とは言え、本当に困りますよね。
ここカテキン王国でも明日は雨の予報。早く梅雨明けして欲しいですね。

で、るろの実写映画、あれ、前編ってホント?てことは、後編は来年で「人謀編」?
おお、もしそうなら、楽しみだ~!!これもアベノミクス効果で製作費は潤沢なのかしら?(笑)
何はともあれ、楽しみに待ちましょう。

では、「比翼の鳥」最終話、ごゆるりと。あ、これも一応R-18です。



 

以前、薫は恥をしのんで、一度だけ恵に尋ねたことがある。



痛いの…?



もじもじしながら、要領を得ないまま、唐突に尋ねたものだから、恵は最初、きょとんとした顔をしていたが、薫の羞恥に満ちた表情を見て、その旨を理解した。



「痛いわよ。」



平気な顔で、しかも、「すごく」、と付け足した。



意地悪な笑みを浮かべ、



「腰がどうにかなっちゃうかと思うわよ」



と言う。



恵にとってみれば、目の前で顔を赤らめながら、あたふたとする薫を、面白半分にからかっていたのだが、あまりにも心配そうな顔で俯く薫を気の毒に思ったのか、最後は諭すような口調で言った。



「でもね、温かいの。」



「温かい?」



「そう。辛いのは最初だけよ。そのうち、温かな波に包まれている感じになるわ。好きな人なら、その思いは尚更ね」



 



今、目の前の夫と一つになろうとしている。それは嫌ではなかったが、不安でもあった。なぜなら、自分がどうなるかがわからなかったからだ。



淫らになった自分を、剣心にはみせたくない。その不安が薫の脳内を巡っていた。



「少し、足を開いて…」



剣心はそう言うと、己の男性自身を薫のその部分にあてがった。ぬるり、と言う感触が下腹部を覆う。何度か亀裂を撫で回すようにした後、下腹部が火をつけたように熱くなった。



痛みが、走る。



腰が、割れそうになる。



狭いその部分を、無理して押し上げているような感覚だ。



「んッ…!!」



思わず、苦しそうな声が薫の口から漏れる。



「もう少し…我慢して」



剣心は眉根に皺を寄せて、自分の下腹部を薫の下腹部にこすりつけた。



やがて薫の奥までたどりついたのか、剣心は薫の顔を見下ろした。



繋がっている…



一つになっている…



その思いが、二人に至福の時を与えていた。



剣心の額から汗が流れ落ち、薫の頬に落ちた。



 



「痛いでござろう…」



肩で息をしながらも剣心が気遣う。だが、薫はうっすらと涙を浮かべながら首を横に振った。



「嬉しい…ようやく剣心と…」



それ以上は声にならなかった。だが、声に出さずとも、薫の思いは十分に伝わってくる。剣心の中に、いままでにない薫への愛しさが生まれた。



生娘特有のしめつけが、剣心を快楽へと誘う。剣心は少しずつ腰を動かし始めた。薫から溢れる水音と、肌と肌がこすれあう音が、薄闇に広がる。時折苦しそうな、だが、切なそうな薫の喘ぎがその音と混ざる。



始めはゆっくりと、だが、次第にそれは激しさを増していった。今にも弾けそうな熱い滾りを必死に押さえながら、剣心は更に薫を責める。突くたびに、額から汗が飛び散った。



「かおる…かおる…」



うわ言のように新妻の名を呼べば、それに答えるかのように、剣心の背に回した薫の腕に力がこもる。



 



―――温かな波に包まれている感じになるわ



 



薫は恵の言った意味を、初めて理解した。



 



腰を動かしている間も、剣心の指は時折薫の乳房を摘まみ、掌でもみしだき、快感を与えていく。その快感は、下腹部がこすれあうたびに、増していくような気がした。



そして―――



 



剣心の肩が大きく揺れた。荒い息が更に荒くなり、腰の動きが早くなる。



その瞬間、薫は今までに見たことの無い剣心の恍惚とした表情を見た。



一瞬、泣いているのかとさえ思った。



堪えきれなくなった熱い滾りは薫の中へ全て出され、ついには薫の上で果てた。



沈黙が続く。だが、剣心の手は薫の髪を愛しげに何度も撫でていた。時折、啄ばむような口付けをして、抱きしめる。



痛みと驚きと戸惑いを感じながらも、薫は幸福の中にいた。



夫婦の契りを交わしたことへの満足感、そして、決して人には見せることの無い剣心の夜の顔。自分だけが知る夫の顔である。



薫も力いっぱい剣心を抱きしめた。



やがて二人は互いの顔を見つめあう。



照れくさそうに笑う剣心の瞳が、まるで子供のようだった。



「大丈夫でござるか?」



ようやく剣心が声を出した。



「うん…」



それだけの会話が、なぜか愛しく感じられた。



剣心は薫に夜着を羽織らせると、後ろから抱え込むように座った。薫も剣心の胸に、体重を預けている。



少し汗ばんだ薫のうなじに、剣心が顔を埋めた。



「何…?」



薫が視線を剣心に向ける。



しばらく黙っていたが、「いや…」



と軽く首を振った後、



「幸せすぎて、怖いくらいでござる」



と言って、回した手に力を込めた。



その手に自分の手を置き、薫が笑う。



「比翼の鳥…」



「比翼の?」



「そう。亡くなった両親が、そうだったの。全くそうは見えなかったのだけれど、絆はとても強かった。母が早くに亡くなっても、父は自分の心の中にいる母を、ずっと頼りにしていたんだわ」



「そうでござるか」



―――私たちも…



薫はそう言って、剣心の顔を見た。



「私たちもそんな夫婦になれるかしら?」



薫の言葉に、剣心も薫の顔を見つめた。



「ああ…そうでござるな」



不思議な縁で結ばれた二人。例えどんなことが起ころうとも、繋いだ手は離さない。



「お父上やお母上に負けぬ位の夫婦にならねば、拙者、お父上から叱られるでござるよ」



ふふ、と薫が小さく笑った。



「そうね。父さんは、怖いわよ?」



剣心も頬擦りをしながら笑う。



触れた部分から、再びぬくもりが伝わる。



いつまでも、いつまでも、このぬくもりを忘れないように。



いつまでも、いつまでも、この手を離さぬように。



重なり合った影は、その夜、決して離れることはなかった。



 



 


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