くちづけ Category:くちづけ Date:2013年06月02日 おはようございます。日曜の朝早くから更新です。トシのせいか、どうも最近早起きです。そういえば、6月は剣薫バースデイですね。かつては、某サイト様主催のお祭りに、参加させていただきました。あれから何年だ?昨日会議中に突如左腕に鈍い痛みが…多分、首痛から来てると思うんですが、もしかしたら五十肩かも…やだな~~~ほんとに最近トシを感じるよortさて、更新。「くちづけ」です。縁との戦いの前日。初めて二人の心が通じ合った日。原作では肩を抱く程度でしたが、やっぱそこはチューくらいしてくださいよ、ということで、初々しいチューを(笑)では、ごゆるりと。 それでも私はあなたといたい。ずっとこの先も、あなたといたい。黄金色に染まる空を見ながら、歩いた土手道。赤とんぼが空を舞い、風がそよそよとそよぎ、でも、その場所だけはまるで時間が止まってしまったようで、少し怖かった。あなたの。言葉が。言わなけりゃ良かった。きっとあなたは困っている。ついこの間、あなたの過去を知ったばかり。私には、思い出の中の女性(ひと)には勝てないと、一晩泣いて過ごしたことがある。泣きはらした目を見せたくなくて、なるべく顔を合わせないようにしていたら、「…薫殿」突然腕を掴まれて、顔を見られた。思わず顔を背けた私に、「何故…?」と、あなたは苦しそうな顔で聞く。――あなたが好きだからに決まっているじゃないのどれだけ言おうと思ったか。すんでのところで、その言葉は飲み干されたけれど、いっそ吐き出せたらどれだけ楽だったか。苦しくて、切なくて、好きでたまらなくて、もう、どうしようもないほど焦がれていて。手が届きそうなのに、あなたはまるで逃げ水のように、私の元から離れてしまう。それならば、言わなければいいのだと、誓ったはずなのに。思いを告げる言の葉は、夏の風に乗ってあなたへ届いてしまった。「ただいま、と言ったのは初めてでござった」そして肩を抱き寄せられた。二人の長い影が後ろから着いてくる。今の言葉を信じても、ばちは当たらないだろうか。剣心はゆっくり歩く。私の歩調に合せるように。「剣心…わたし…」不意に歩みが止まってしまった。少し怖くなってしまったのだ。あなたの心が本当なのか。例えば私をかわいそうと思うのならば、私はどれほど惨めだろう。剣心は私と真正面から向き合った。頬に、指が触れた。何人もの人を殺め、救った武骨な指が、私に触れる。「あなたを…これからも守りたい」その眼差しは、真っ直ぐで、偽りのないもの。あなたの体温が、私に近づいて来る。やがて私の視界は、緋色の髪に覆われた。熱を持った唇が離れ、それと同時に額を付け合う。「…すまぬ」その声は少し遠慮がちで、照れているようで。私は首を横に振った。「謝らないで…」だって、謝られたら、あなたが消えてしまいそうで。今の口づけが、偽りのものになってしまいそうで。だから。剣心の手が、私の手とつながる。少し遠慮がちなその手のぬくもりを、私は一生忘れない。 [41回]PR