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- Date:2025年01月03日
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薫は布団の上に、静かに寝かされた。柔らかな感触が薫を包んだ。
まるで高価なガラス細工を扱うように、剣心は優しく薫の体に触れる。
言葉はない。が、剣心の指先が、瞳が、言葉よりも雄弁に物語っている。
愛していると。
かけがえのない人なのだと。
薫は自然に目を閉じた。
口付けは、欲がこもっていた。
今までに交わしたどんな口付けよりも、熱く、甘く、とろけるような口付けだ。
口内に生暖かな舌が入ってきたとき、薫はびくっと肩を震わせた。今までに無い感触に驚きながらも、それを素直に受け入れる。
ねっとりと、何度も口内を剣心の舌で侵された。あまりの息苦しさに眉根に皺が寄る。
その表情に気がついた剣心が、申し訳なさそうに唇を離した。
「す、すまぬ…苦しかったでござるか」
薫は軽く首を横に振り、小さく笑った。
いつのまにか、口付けでさえこんなに夢中になってしまっている。剣心は己の性急さを後悔した。生娘の薫にとっては、全てが不安な夜なのだ。
だが。
一度点いた炎を、消すことは困難だ。
剣心の体の奥底に湧き上がる雄の部分は、とうに目覚めていたのだ。
再び、剣心は薫に覆いかぶさった。
時に強く吸い上げ、時に啄ばむような口付けをする。それは唇だけではなく、次第に首から肩口へと降りていく。緩急をつけたその口付けに、薫は自らもまた酔いしれていることに気がついていた。
だが、唇が肩口を通り越し、夜着の上から二つの膨らみに触れたとき、薫は言いようのない羞恥を覚えた。
「あ…」
思わず声がもれた。その声を剣心に聞かれたことが恥ずかしくて、薫は両手を唇に当てた。
だが、剣心はそれを無視するように、薫の夜着の袷を開き、白い肌に唇を這わせた。
なぞるような、くすぐったいような唇の感触は、決して嫌なものではなかった。剣心の唇は、最初ふくらみの周りをなぞっていたが、次第にそれは唇から舌へと変わり、やがて膨らみの頂上へたどり着いた。
形のいい乳房が、舌の刺激を受けてツンと硬く咎っている。舌だけではなく、いつのまにか掌で揉みしだかれ、剣心の手の動き通りに膨らみは形を変えていった。
時折、親指とひとさし指が先端を摘まみ刺激を与える。
かと思えば、舌で再び転がされる。
その度に薫は声を上げそうになりながら、すんでのところで息を飲んだ。
「薫殿…我慢しないで」
剣心は、薫の顔を見ずに言う。
「剣心…私…恥ずかしい…」
蚊の鳴くような声で、薫は剣心に助けを求めた。自分の声がいつもと違うことを、一番驚いたのは薫自身だ。
「薫殿…」
剣心は薫の顔を見つめ、優しく髪を撫でた。
「恥ずかしいことなどない。むしろ拙者は嬉しいでござるよ。薫殿の全てを知ることが出来て」
もっと…声を出して…
剣心は薫の耳元で囁いた。
「全てを拙者に見せて…薫殿…」
剣心はそう言うと、再び唇を体に這わせた。
薫は戸惑っていた。
自分の体の変化に、である。
口付けされただけなのに、体の奥底から沸き起こる甘い痺れは何なのだろう。
今までに経験したことのない感覚に、恐れさえ感じる。
剣心は『全てを見せてほしい』と言う。だが、自分の全てとは何だろう。剣心に対しては今まで包み隠さず自分を見せてきたはずだ。嘘などついたこともない。これ以上、自分に何をしろ、と剣心は言うのだろう。そして、今までに感じたことのない甘い痺れと、何か関係があるのだろうか。
剣心の愛撫は更に続いている。
舌は尖った乳房を絡め、転がし、指で摘まむ。
「あ…」
まただ、と薫は思った。また、声を出してしまった。自分の理性とは裏腹な、どうしようもないほど切ない声が、刺激を与えられる度に出てしまう。そして、
声を出すたびに、剣心の愛撫は更に激しくなるような気がした。
剣心は一度体を離し、夜着を脱いだ。厚い胸板が目の前に現れる。それと同時に、体に残る無数の傷跡も…。行灯の薄暗い光の中に浮き出された傷を見て、薫はいいようのない悲しみに襲われた。
この人は、こんなにも、戦ってきたのだ。
そして、体だけでなく、心も傷ついているのだ。
自然と薫の指が、傷をなぞった。
「薫殿…」
「…痛い?」
「いや、大丈夫。昔の傷だから」
「心も…痛む?」
剣心は少し驚いたように薫を見た。瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「戦って…来たんだね」
「そうで、ござるな」
「戦って戦って、敵とも、自分の心とも…」
「これからも、でござるよ。拙者の戦いはまだ完遂していない」
そうだね、と薫は頷いた。
「でも、これからは、一人じゃない。私がそばにいることを、決して忘れないで。一人で全てを負うなんて、しないでね」
伸ばされた指が剣心の頬を撫でた。
「薫…」
その手を握り締め、掌に口付けたあと、剣心は薫の体を強く抱きしめた。
「薫…薫…」
何度か名前を呼び、静かに優しく薫の夜着を脱がせていく。
はみかむ薫の頬を撫で、一糸纏わぬ姿を上から見下ろす。
「綺麗だ…」
薄闇に、二人の裸体が重なり合った。